2025年9月9日火曜日

ZERODENTインタビュー


2025年9月に来日する、オーストラリア、パース出身のZerodentoのインタビュー。メンバーのPexにいろいろと聞いてみた。日程は下記。
9/19(金) at UFO Club 東高円寺
9/20(土) at Journey Bar 横浜
9/21(日) at Livehaus 下北沢
9/27(土) at なんばBears 大阪
9/28(日) at PopPizza 京都

■まずは自己紹介をお願いします。 
ベースがBellie、ドラムがDylan、ボーカルがLee、そしてギターがオレPexだよ。 

 ■Zerodentの前にバンドをやってたんですよね? 
Soviet Valvesっていうバンドが前身バンドでBellieとオレは2人ともギターでベースはいなかったんだ。Bellieとは"Soviet Valves"を結成する数年前に知り合ってて、何度かジャムをしたんだけど、彼のギター・スタイルには驚かされたよ。 "Soviet Valves"の活動期間はわずか12ヶ月で、2004年5月から2005年5月まで41公演を行ったんだ。ボーカルのMilosはロンドンに住むことになった。 その後、MilosがPerthを訪れたときに3回ライヴをやったよ。あと、BellieとオレはNight Signalsにも参加していて、それはジャングリーだけどラウドなポップスだったね。 

 ■Zerodentはいつ始めたのですか? 
2015年の2月。その2015年2月の前、オレは日本にいて、横浜の郊外でiPodをシャッフルして聴いていたんだ。 そしたら、なぜかパンクな曲が3曲続けて流れてきたんだ。Clashの Protex Blue、PankrtiのJest sem na liniji、何か忘れちゃったけどあと1曲。その時にまたパンクバンドで演奏できたら最高だと思ったんだ。すぐに、誰を誘えば良いかはわかったし、そしてみんな加入してくれてZerodentを結成したんだ。その後すぐにライブをしたよ。 

 ■結成時はどんな音楽に影響を受けましたか? 
Punk, Post Punk, Jungly Pop。オレ達の音楽は初期のWireやGang of Fourの影響があってどちらも大好きなんだ。 Television Personalitiesのようなものも聴くし、彼らの作品のいくつかは大好きだけど、影響を受けて無いと思うな。オレ達はみんな全く違う音楽を聴いているし、同じ音楽もまた聴いている。 メンバーのDylanがRamonesを好きじゃないと言ってて、オレはめっちゃ傷ついたよ。 でもDylanはRamonesのようなドラムを叩かないし、それはそれで、オレはDylanのドラムが好きなんだ。 

 ■ZerodentのサウンドはTelevision PersonalitiesやThought Criminalsに似ている、なんて言われてますよね? 
どちらのバンドの曲も好きだよ。 直接影響を受けたとは言えないけど、聴くものすべてから影響を受けているんだとと思う。 オレはよく様々な曲からインスピレーションを受けるんだ。 オレはユーゴスラビアで育ったから、古いユーゴスラビアの音楽からインスピレーションを得ていると思うんだ。オレはそこで育ったからそこに敬意を表すのが好きなんだよ。 

 ■あなたの故郷はどんなところですか?
 オレはセルビア、旧ユーゴスラビアで育ったんだ。Smederevska Palankaという小さな町。1992年末にパースに移住したよ。そこで育つのは素晴らしい経験だったけど、20歳になった頃に政治問題が発生し、内戦が勃発したからパースへ移住した。当時のパースはとても静かで、ツアーをするバンドもあまりいなかったけど、人々は親切で、たくさんの友達と出会い、音楽に携わるようになったんだ。だからパースはオレの故郷なんだ。32年以上ここに住んでいて、大好きな街だよ。ここでは70年代後半のパンクから今日まで、素晴らしい音楽が聴けるんだ。

 ■地元パースで好きなバンドはいますか? 
パース出身のバンドは、The Victims、Manikins、The Scientistsそして長年観てきたたくさんの地元のローカルバンド。素晴らしい音楽、素晴らしい人達がそこにあるんだ。 

 ■1st LPは2016年にAlien Snatch Recordsからリリースされましたね。
リリースした経緯を教えてください。 Zerodentは2015年3月にスタジオでライブデモを録音したんだ。もしライブをやる機会があれば、プロモーターにオレ達のラフな音源を聴いてもらえるように、オンラインで公開したんだ。数週間後、Goner Records/GonerfestのEric Oblivianから連絡があったんだ。彼がとても気に入ってくれて、Gonerfestに出演してほしいと言われたんだ。オレは「まだ5曲しかない」と伝えたら、するとEricは「もっと曲を書いて、来年に来てくれ!」と。10曲ほど曲を書き上げてレコーディングして、無料でオンラインで公開しようと思ったんだけど、家に帰ってレコードを整理してたら、Alien SnatchのDanielに連絡してみよう!と思ったんだ。Danielからすぐに「やりたい」と返事が来て、数ヶ月後にはレコードが詰まった大きな箱が二つ玄関に届いたんだ!!LP2枚と7インチEP1枚をリリースしてくれた彼には、本当に感謝している。ベルリンでのライブでは彼と会ったんだ!言葉では言い表せないほど大きな意味があったよ。 

 ■1stアルバムは特にTelevision Personalities、The Desperate Bicycles、そしてWireの影響があるのかな?と思いますが。 
最近、1stアルバムを聴いたんだ。曲は素晴らしく、1stアルバムならではのクールな雰囲気が漂っているね。めっちゃクリーンなサウンドに感じる。いつも自分の演奏、ミスに一番気を使っているけど(笑)。君が挙げたバンドは直接的な影響はないかな。個人的にはクリーンでありながらエネルギッシュなサウンドを目指していたんだ。 

 ■2016年にはアメリカツアーとGonerfestに参加しましたね。 
そう!GonerのEricに誘われたんだ。アルバムがリリースされて、荷物をまとめてアメリカツアーへ行ったんだ。もし1年前に「バンドでアメリカに行く!」なんて言ったら、「まさか!」ってみんなが言ったと思う。でも、実際に行ったら本当に最高だったよ。シカゴ、デトロイト、クリーブランド、コロンバスで演奏し、ニュージャージー州のWFMUでライブセッションを行って、ニューヨークで演奏した後、メンフィスのGonerfestでツアーを締めくくった。素晴らしい時間、素晴らしい人々、そしてパースへの長旅の最後の夜、オレは肺炎になってしまったんだ。でも、このツアーにはそれだけの価値はあったんだ。 

 ■2nd LP「Landscapes Of Merriment」は2018年にAlien Snatch Recordsから再びリリースされましたね。 
2nd LPは現在のラインナップでレコーディングしたんだ。Dylanは3人目のドラマー、Bellieは2人目のベーシスト。曲が出来上がったかは録音したんだ。ギターパートと歌詞はオレが全部作って、他のメンバーがそれぞれのパートをアレンジして作っていく感じ。その時、みんながバンドに貢献し、一緒に作り上げることで、本当に良いモノが出来るという、本当の「バンド」の意味を理解することができたんだ。 

 ■2019年のヨーロッパツアーはどうでしたか? 
オレ的には、アメリカツアーよりも良かったよ。どこへ行ってもとても親切にしてもらったし、バンドを温かく迎え入れてくれて、食べ物、飲み物、お金など、いろいろと提供してくれたんだ。アムステルダムに午後5時に到着し、翌日にバンと機材を回収してハンブルクまで8時間運転しなければならなかった。ツアー中はみんなすごく疲れていて、しかもオレはずっと運転。しかもマニュアルバンで、しかも道路の反対側を走って、3人も乗せて、高価な機材もたくさん積んで。本当に怖かった。でも、なんとかやり遂げて、最高の気分だったよ。ツアーはオレの故郷セルビアで幕を閉じた。自分の地元で演奏ができた事は本当に幸せだったよ。 

 ■普段オーストラリアでライブを行っていますか? 
最近はPerthで3ヶ月に1回くらいかな?2016年にはメルボルンに行ったけど、遠くて飛行機代も高いんだよ。日本のGuitar Wolf、Hard-Ons、Split Systemといったツアーバンドとはたくさん一緒にライブをしたよ。地元のバンドと演奏するのも好きだね。 

 ■オーストラリアの現行バンドで好きなバンドはいますか? 
Split System。 

 ■新しい3枚目のLPは2023年にリリースされましたね。 
ヨーロッパツアーの後、コロナ禍で、音楽制作に取り組むことができなかったんだ。バンドメンバーと過ごす時間が無くて本当に恋しかったけど、Perthはそこまで深刻じゃなかったから、すぐに演奏できるようになったんだ。3rdはメンバー全員が新曲を書き進めていて、10曲が完成したところでレコーディングを開始したよ。3rd アルバムの前に、ウィル・フーパーという8トラック・テープレコーダーの天才と一緒に全てをレコーディングしたんだ。けど、ボーカル以外をすべてライブで一発録音しなければならなかったんだ。ちょうど彼のテープレコーダーが修理中で、オレ達もレコーディングしたいと思ったのと、もう一人の友人であるベニー・J・ワードがPerthから車で45分ほどの丘陵地帯にある木々に囲まれた美しい場所でスタジオを始めたばかりだったので、彼と一緒にレコーディングすることにしたんだ。ある土曜日にそこへ行き、レコーディングをして、楽しんで、そこで寝泊まりし、翌日もレコーディング。ベニーはバンドのことを本当によく理解していたのでミックスは彼にお願いしたんだ。彼は本当に素晴らしい仕事をしてくれたよ!!Mikey Youngがマスタリングを担当し、Soviet Valvesでボーカルを務めていたMilosが自身のレーベルGeneva Lake Recordsからリリースしてくれたんだ!このアルバムの全てに本当に満足しているよ。Zerodentのサウンドを完璧に表現していると思うんだ。

 ■なぜ日本ツアーをやろうと思ったのですか? 
オレは実は、日本では10回ライブをしてるんだ。まず、4本のベースでの即興のノイズ、エクスペリメンタルノイズバンドのAbesadaで2007年と2009年の計2回来日してるんだ。2008年にはGutter Guitarとしてソロでギターの実験音楽をやったよ。UFOクラブ、ペンギンハウス、小岩のライブハウスで演奏したんだ。2010年には本名のプレドラグ・デリバシッチ名義でUFOクラブでソロ・ライヴも行った。 たくさんの友達が来てくれて、素晴らしかったね。日本でライブに来てくれた人はみんな音楽を聴きに来てくれていたよ。パースでは、ただ飲みに来るだけで、音楽にはあまり興味がない人が多いんだ。でも、オレはずっとエクスペリメンタルなバンドではなく、「ロック」バンドとして日本ツアーをしたいと思っていたんだ。それは、以前、日本でロックンロールバンドのライブを見て、すごく楽しかったからなんだ。だから今年、10年ぶりに日本に来たいと思った。Zerodentの他のメンバーも日本に来たいと言ってくれた。君や、各地でツアーの企画を手伝ってくれるみんなのおかげで、日本に行ける事になったんだ。日本はいつも最高だった! 一度も嫌な思いをしたことはない。 人、食べ物、飲み物、音楽、いつもたくさんのレコードを買うこと! 最高! 

 ■日本で好きなバンドは? 
もちろん、たくさんあるね!でも、いくつか挙げるとしたら。寺内タケシが大好きだね。彼の演奏は最高!彼のレコードはたくさん持っていて、特に「羅生門」は傑作だね。ブルーハーツの曲も大好きで、彼らが日本でパンクロックを広めた重要性、そして若い「アウトサイダー」に訴えかけた歌詞の重要性は理解しているつもりだ。けど、人生で観た最高のライブは、2007年と2015年に東京で観た渋さ知らズオーケストラのライブだね。彼らの音源は聴いていたけど、生で観ると本当に信じられない体験だったよ! でも、Zerodentの音楽とは全く違うね(笑)。とにかく本当に色々な音楽が好きなんだ。今回のツアーで、一緒に演奏するすべてのバンドに会えるのを楽しみにしているよ。日本のバンドは最高!たとえオレの好みの音楽でなくても、彼らの完璧さにいつも尊敬しているよ! 

 ■日本に来たら何をしたい? 
温泉に行きたい。 でもタトゥーがあるし...。美味しいものも食べたいけど、やっぱり素晴らしいライブをして楽しみたいな。 

 ■たくさんのパンクバンドがツアーで日本に来ます。素晴らしいショーを披露しなければ、日本の観客は帰ってしまいます。日本のパンクファンを驚かせる自信はありますか? 
怖がらせるなよ!!!!来てくれる人全員に最高の音楽と楽しい時間を保証する。オレ達は音楽が大好きで、新しい友達と出会い、一緒に楽しみたいと思っている4人組です。きっと最高になるでしょう! 

 ■日本のパンクファンにコメントをお願いします。
さっきも言ったように、オレは日本でたくさんのショーを見てきた。日本のみんなは本当に音楽が大好きで最高です。人生は厳しい時もある。生きていくためにみんな働かなければならない。でも、芸術を楽しみ、音楽を楽しみまう。外に出て友人と過ごし、楽しむことが必要です。Zerodentはみんなと一緒に楽しむために来ます。一晩だけ人生の辛いことを忘れて、お酒を飲んで音楽を楽しもう。そしていつか日本のファンの皆さんがパースに来て、私たちの人生を体験してくれることを願っています。







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